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  2. Liscio-1(リスシオ・ワン)

Liscio-1

Liscio-1
大和出版印刷株式会社が、万年筆との相性をとことん追求した紙「Liscio-1(リスシオ・ワン)」を開発した。
万年筆ユーザをはじめ、万年筆ショップオーナー、製紙メーカー、製紙販売代理店が集まって完成させた。

企画から完成までに一年以上を費やしている。
もともとお客様に万年筆に詳しい方が多く、魅力を教えてもらったのがきっかけ。
「紙とインク」。
印刷との共通点から徐々に引き込まれ、ついには専用紙をつくるまでに至った。

万年筆の「滑らかな書き味」にこだわっており、ペン先の引っ掛かりがない。
これは紙表面に無機顔料の填料(てんりょう)を施しているためである。
この填料が紙の凹凸感を埋めることで実現している。
紙内部にも填料を混ぜ、インクの吸収を良くし、乾きを早くするとともに、インク滲み・裏写りを抑えることにも成功した。

落ち着いた白色で、しっとりした質感をしている。
紙厚はノートや便箋などにも適した「0.11ミリ」。

リスシオ・ワンは限定生産のため、大量に抄造できない貴重な紙でもある。

原料のメインは木材パルプ。
これに「バガスパルプ」を配合している。
バガスパルプは、サトウキビから糖汁を搾った後の繊維でできている。

「Liscio」とはイタリア語で「滑らか」という意味。
「1」には「2」「3」と続けたいという想いを込めている。

万年筆の最高のパートナーでありたいと願っている。 【リスシオ・ワン仕様】
原    料 木材パルプ90%、バガスパルプ10%
表面加工 表面に※填料(てんりょう)加工
サ イ ズ 菊判(縦939mm×横636mm)
紙 の 目 T目、Y目
紙    厚 菊判<48.5㎏>
※「填料」→紙の平滑度・白色度・印刷適性などを高めるためパルプに添加する無機顔料
経 緯
■~2007年6月
万年筆調整販売店「Pen and message.」の吉宗史博氏、革製品専門店「Le Bonheur(ル・ボナー)」の松本佳樹氏から万年筆の魅力を教わる。
★ ★
■2007年6月
神戸から「万年筆に適した紙製品をつくろう!」という企画が本格始動する。
■2007年7月
紙選びを開始。
製紙販売代理店(旭成紙業株式会社、平和紙業株式会社)と数回打合せを行なう。
筆記テストでレベルの高かった12種の用紙を候補にする。
その中でもっとも相性が良い「バガスP-70」と出会う。
■2007年11月
「バカスP-70」を使った上製本ノートづくりを開始する。
■2007年11月中旬
「バカスP-70」の生産中止が急遽決定する。
製紙販売代理店の協力により、全国から在庫を集める。
限定生産としてノートづくりを再開。
★■2007年12月~2008年2月
神戸市が運営する※「神戸セレクション」に出品。
認定商品となり販売を始める。
限定のため販売価格が5,250円(税込)と高額になるが2ヶ月で完売する。
※神戸の産業の中から良質でお洒落な神戸らしい商品を発掘・選定する事業。
(大丸神戸店、小田急百貨店新宿店にて店頭販売)
(楽天市場で期間限定ショップを3ヶ月間オープンし、販売)
・朝日新聞から取材を受け、2007年12月12日朝刊に掲載。
・ステーショナリーマガジンNo.004(枻出版社)に掲載。
・月刊誌「月刊プリテックステージ」に掲載。
・「ひょうご経済戦略」に掲載。
・NHKより取材を受け、12月11日(火)に放映。
 18:10~19:00「ニュースKOBE発」総合テレビ(兵庫県内向け)
 18:10~19:00「かんさいニュース1番」総合テレビ(大阪地域向け)
■2008年2月
「バガスP-70」同様に万年筆の適性が良い紙を探し始める。
希望するレベルの紙が見つからなかったため「バガスP-70」を超えるべく、特注紙の抄造を目指す。
2社の製紙販売代理店(旭成紙業株式会社、平和紙業株式会社)と協力し、希望する別注用紙を小ロットで抄造できる製紙メーカーを探す。
特殊な用紙を抄造できる高技術、小ロットでも対応できるメーカーとして「特種製紙株式会社」に辿りつく。 早速コンタクトをとり、打合せ準備に入る。
★■2008年4月
特種製紙株式会社と打合せを開始。
抄造機※「抄紙マシン(4号)長網多筒」を採用することが決定する。
※抄き幅×1650ミリ、米坪23~150グラム、抄造ロット10トン、70キロベースの紙を抄造可能。
■2008年6月18日
特種製紙株式会社と具体的な打合せを開始。
希望条件は「滑らかな書き味、インク滲み・裏写りを抑える、乾きが早い」の3点。
スケジュール調整などの細かい打合せを数回行う。
■2008年8月~9月
特種製紙株式会社・主任研究員の筒井氏が「手抄き」でテスト紙を作り、筆記適性のテストを実施。
抄造品質をまとめ、10月の本機テスト抄造に向けて準備する。
★■2008年10月2日
本機によるテスト抄造(第一回)
静岡県にある製紙工場へ赴く。
早速、希望した用紙を抄造。
出来立ての紙に万年筆で書いて書き味をテストする。
インクの滲みが目立ち、滲みを抑えたいとの要望を伝える。
3回ほどテストを繰り返す。
しかし希望したレベルに到達できず、再度、テスト抄造を要請する。
★★
■2008年11月15日
★本機によるテスト抄造(第二回)
特種製紙株式会社・筒井氏が大和出版印刷株式会社に訪れる。
第一回テスト抄造で出た意見を元に、本機でのテスト紙3点を持参。
筆記テストを実施し「すべてバカスP-70を超える」と高い評価を得る。
3点から「もっとも適正である」と思われる紙を選ぶ。
ただし表裏の平滑性に差があるため、均一になるように依頼する。
第一回目よりかなり良くなっているが、まだ希望したレベルではなく、再度、テスト抄造要請する。
■2009年1月15日
本機によるテスト抄造(第三回)
静岡県にある製紙工場へ赴く。
表面に塗工(化粧)するスピードによって、用紙の平滑性が変わるため、数回のスピードでテスト抄造する。
数回のテストを繰り返し、ようやく希望していたレベルに到達。
本格的に抄造を依頼する。
★★
■2009年2月5日
用紙が完成。
弊社指定倉庫に保管する。
★★
■2009年4月
紙名を「リスシオ・ワン」に決定。
★
特種製紙株式会社 総合技術研究所 主任研究員 筒井秀 氏
特種製紙株式会社総合技術研究所主任研究員 筒井秀 氏
ご依頼された開発品に求められる性能は、まとめると以下4点と考えました。
  • (1) 万年筆筆記時のペン先の滑らかさ
  • (2) 書いた線がカスレにくい
  • (3) 滲みにくい
  • (4) 紙の裏面に透けにくい
「滑らかさ」は筆記時の摩擦抵抗を下げることで達成されますが、その方法として、単純に加圧または同時にこすることにより平滑性を上げる方法と、紙表面に填料(てんりょう)を塗付する事で紙表面の凹凸を埋める方法、の2点が考えられました。

前者の方法では紙密度が上がって紙が硬くなり、結果、ペン先のフィット感が損なわれるため、後者の方法である無機顔料の填料塗付を行ないました。
塗付した填料は、「ペン先の滑らかさ」により適したものを選択し、適度な平滑性を持たせました。

またペン先が滑らかに紙面を走る事を目的とした紙本体のパルプ繊維密度を決定いたしました。

さらに填料を紙表面に塗付する薬品(バインダー)に適度な耐水性を持たせ、書いた線がカスレにくく、滲みにくくしました。

紙内部にも不透明性を上げるために、填料を配合させております。
これにより、書いた線の裏透け防止になります。

尚、森林資源の保護という観点より、非木材であるサトウキビの茎から生産されるバガスパルプを木材パルプと混合させております。

より良い書き心地を感じていただけるよう、リスシオ・ワンは以上の処方を複合化させて製造しております。

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